追い詰められた...かぐや姫

残酷な宣告

「姫乃ー!ご飯よー!」

もうそんな時間か。結構寝てたな。


また変な夢見たな。でもさっき見た夢は初めて見るものだった。


1階に降りてお母さんとお父さんとおにぎりパーティーをしていてもさっきの夢が何故か頭から離れてくれない。


数分経ったとき急に

「姫乃。」

お父さんが話しかけてきた。
なんだろう。いつもより表情が暗い気がする。なんだろう。明日家族3人で遊びに行くとかかなー?



そんなこと考えていると。


「姫乃。実はな。お前は俺たちの...娘じゃないんだ。」

伝えられたそれは突拍子もない話だった


頭を鈍器で殴られたような衝撃が私を襲う。



理解が出来なかった。数分してその言葉を飲み込んだ...


お父さんとお母さんの娘じゃ...ない?


さすがにはい、そうですか。で片付けることが出来ない。だって16年間家族だと思っていた人間が赤の他人だったなんて。


じゃあ、私は誰なのよ。本当に誰なのよ。



私はかぐや姫じゃない。お母さんとお父さんの娘でもない。



じゃあ、私は何なのよ。何だったのよ。



「面白くない冗談やめてよ。」

「冗談だったらいいのにな。......っ。分かってくれ。俺たちだってお前を失いたくなんてない。だけどもう時間がないんだ!!」

時間がないってなによ。本当の家族の元へ帰れってこと?


冗談じゃない......?

じゃあ、お父さんが言ってることは本当に本当のことで。


お母さんが泣いてるのも、それが真実だから。





そんなの嘘だよ。私は2人の娘なんだよ。
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