追い詰められた...かぐや姫
────彼女に害をなすものは物も人も動物も消えるのである。
静かに涙を流す彼女は
「こんな...どうして......もうやめてよ」
そう言って座り込んでしまった。
───ずっと見ていた私はその場を動けなかった。
畏怖だろうか…いや、私は...
「...私は!私ならお前を愛すことが出来る!!私と!暮らさないか…!?」
彼女の事が好きだ。
咄嗟に言ってしまった。
彼女もきっと母親が亡くなり一人になるだろう。
それならば私が......
......顔を上げて目を見開いた彼女の目からきらきらと雫が落ちる。
「...無理だよ。私は1人じゃないとダメだよ。」
私は彼女に駆け寄り何故なのか問い詰めた
すると...
「私は、私を傷つけるもの全てを消してしまうという神の御加護を賜っていて......私の周りにいた人は母以外皆消えました。
──働いている料理亭で包丁で指を切った時包丁が店から消えました。傷も。
──私に噛み付いた犬も消えました
──間違えて私に爪をたて傷付けた子猫も消えました。
──小さな喧嘩で消えた友達もいました
──私が嫌いだと思った人は消えました」
でも、私の心を傷つけ続ける神様は
───────────消えないんです。
そう彼女は言った。