追い詰められた...かぐや姫

静かな夢

「─貴方はかぐや姫なの─」

違うよ。お母さん。

「─お前はかぐや姫なんだ。そのうち月に帰ってしまうんだ。─」

そんなこと絶対ないよ、お父さん。


「「─姫乃!貴方はかぐや姫なのよ/なんだ─」」


違うッ!私は輝夜姫乃!名前だけのかぐや姫なの。月になんて行けないの。



行きたくもないの。あんな所に。

彼処はとてもとてもツマラナイの。

窓から外を眺めるだけなの。


私は、私は。




私はかぐや...ひめ。





............私はかぐや姫?



......................私は誰だっけ。


あの場所は何処だっけ。いつも一緒にいた貴方は..................一体誰なの。



知らない、知らない。

......分からない。


.........................分からなくていい。



きっと、そのうちわかる時が来るから。
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