鬼麟
「あれ? 俺たちに興味があるんじゃないの?」
嫌味ったらしくも、そう言って追い詰める。
蒼は蒼でどうやらわかっていないらしく、参戦することはないだろうことが救いだ。
どうにかして口車に乗せられることを避けねばと、頭を巡らせるが特に何も思いつかない。
ついて行った先に何があるかはわからない。けれどもし彼らの総長と会わせられでもしたら、そう考えただけでも嫌だと叫びたくなる。
なんとか窮地を脱しようと、視線を投げた先に脱出口を見つける。
「あ、山本君!」
右斜め前に座っていた彼の名前を呼ぶと、驚きと同時に変な声を出す彼。そのどこにでもある名前に最初は関心がなかったものの、ここに来て役に立ったと言える。
彼も彼でここで名前を呼ばれるとは思ってもいなかっただろう。
「ねぇ、山本君。学校案内、してもらっていい?」
学校案内など、される気がないうちに先生の遠回りのおかげでされているようなものだ。だが、ここを抜けるにはそれしかなく、咄嗟に思い付いたその案に賭けるしかない。
彼は顔を赤くしながらも、二つ返事で心良く了承してくれた。
嫌味ったらしくも、そう言って追い詰める。
蒼は蒼でどうやらわかっていないらしく、参戦することはないだろうことが救いだ。
どうにかして口車に乗せられることを避けねばと、頭を巡らせるが特に何も思いつかない。
ついて行った先に何があるかはわからない。けれどもし彼らの総長と会わせられでもしたら、そう考えただけでも嫌だと叫びたくなる。
なんとか窮地を脱しようと、視線を投げた先に脱出口を見つける。
「あ、山本君!」
右斜め前に座っていた彼の名前を呼ぶと、驚きと同時に変な声を出す彼。そのどこにでもある名前に最初は関心がなかったものの、ここに来て役に立ったと言える。
彼も彼でここで名前を呼ばれるとは思ってもいなかっただろう。
「ねぇ、山本君。学校案内、してもらっていい?」
学校案内など、される気がないうちに先生の遠回りのおかげでされているようなものだ。だが、ここを抜けるにはそれしかなく、咄嗟に思い付いたその案に賭けるしかない。
彼は顔を赤くしながらも、二つ返事で心良く了承してくれた。