鬼麟
正直どうでもいいと言いそうになるのを呑み下し、その先を待つ。できることなら早く終わらせてしまいたい。
「驚いたりとか、特段何も無いんですね」
漏れ出た言葉は不満か、単なる驚きか。どちらにせよ、倖のその発言に何が嬉しいのか、顔を輝かせる蒼とレオ。
「そうなの! だから僕気に入ったの!」
「吃驚したよ〜。最初俺らが狼嵐って言ったら、で? だけで終わりだぜ?」
蒼とレオのその自慢話のようなそれに、またもや目を丸くする倖。
それ以上の感想を持ち得なかったのだから仕方ないことなのに、どうしてそんなにも喜ぶのか理解に及ばない、気に食わないと愚痴りたくなる。
そしてこっちに同意を求めるように視線を投げないで欲しい。その視線から逃れようとそっぽを向けばいくらか楽になる。
私を抜いたここの人達は、顔だけ豪華でなんだか余計場違いに思えてくる。
「棗ちゃん、棗ちゃんもお願い」
レオのお願いに応える義理などない。全身で拒否の意を示すが、袖を引く蒼がそれを許さなかった。
「驚いたりとか、特段何も無いんですね」
漏れ出た言葉は不満か、単なる驚きか。どちらにせよ、倖のその発言に何が嬉しいのか、顔を輝かせる蒼とレオ。
「そうなの! だから僕気に入ったの!」
「吃驚したよ〜。最初俺らが狼嵐って言ったら、で? だけで終わりだぜ?」
蒼とレオのその自慢話のようなそれに、またもや目を丸くする倖。
それ以上の感想を持ち得なかったのだから仕方ないことなのに、どうしてそんなにも喜ぶのか理解に及ばない、気に食わないと愚痴りたくなる。
そしてこっちに同意を求めるように視線を投げないで欲しい。その視線から逃れようとそっぽを向けばいくらか楽になる。
私を抜いたここの人達は、顔だけ豪華でなんだか余計場違いに思えてくる。
「棗ちゃん、棗ちゃんもお願い」
レオのお願いに応える義理などない。全身で拒否の意を示すが、袖を引く蒼がそれを許さなかった。