鬼麟
狼嵐に危険分子を近付けさせないために、あらゆる情報網を使い、私について調べ上げたたのだろう。昨日の今日、一度面識があるくらいの私に信用も信頼もない。それは私も同じなのだけれど。
「別に、それならそれでいいでしょ。私はあなた達に関わることも、近寄りたくもないんだから。充分それで事足りる」
倖はまだ何か言いたそうに口を開いたが、修人に諌められ、それ以上は言及せずに黙ってしまった。
知らなくていいことを、わざわざ知る必要はないのだ。それが彼等のタメにもなるのだから、と少しばかりの偽善が首をもたげる。
「あ、ここにいたんだ」
避けた倖の横をすり抜け、出て行こうとするとひょっこり顔を出した蒼とレオ。なんで増えるのかな。
うんざりとした気分が、より一層憂鬱なものへと変わる。今日は厄日か、と叫びたくもなる。
蒼達の現れた扉とは反対の扉から出て行こうとすると、なっちゃんと呼び止める声がかかる。なんで関わろうとするの、なんで絡んでくるの、なんで踏み込むの。もうやめて。
「別に、それならそれでいいでしょ。私はあなた達に関わることも、近寄りたくもないんだから。充分それで事足りる」
倖はまだ何か言いたそうに口を開いたが、修人に諌められ、それ以上は言及せずに黙ってしまった。
知らなくていいことを、わざわざ知る必要はないのだ。それが彼等のタメにもなるのだから、と少しばかりの偽善が首をもたげる。
「あ、ここにいたんだ」
避けた倖の横をすり抜け、出て行こうとするとひょっこり顔を出した蒼とレオ。なんで増えるのかな。
うんざりとした気分が、より一層憂鬱なものへと変わる。今日は厄日か、と叫びたくもなる。
蒼達の現れた扉とは反対の扉から出て行こうとすると、なっちゃんと呼び止める声がかかる。なんで関わろうとするの、なんで絡んでくるの、なんで踏み込むの。もうやめて。