この恋を、忘れるしかなかった。
◇◇◇
放課後の教室ーーーいくつになっても、わたしはこの場所が好きだった…。
外から聞こえてくる運動部の生徒達の声に耳を傾けながら、少しボーっとしていたわたしを我に返らせたのも、やはり生徒の声ーーー。
「リカちゃん先生?ねぇ、リカちゃん先生ってば!」
「…え?なに?何か言った?」
「聞いてなかったのぉ?」
わたしの反応に、あからさまにふくれっ面になったのは、西崎美雪、この高校の2年生の生徒だった。
そしてわたしはというと、1年2組の担任で美術の教員、安藤梨花子ーーー、一部の生徒達からは”リカちゃん先生”と呼ばれている。
半年前に転任してきた矢先、突然ある男子生徒からつけられたあだ名だった。
親しみを込めてくれていると思えば悪い気はしないものの、最近の子は先生という立場の人間をナメてるわね……という気持ちもあった。
「ごめん美雪ちゃん、何だった?」
美雪ちゃんの話を全くと言っていいほど聞いていなかったわたしは、素直に聞き返した。
放課後の教室ーーーいくつになっても、わたしはこの場所が好きだった…。
外から聞こえてくる運動部の生徒達の声に耳を傾けながら、少しボーっとしていたわたしを我に返らせたのも、やはり生徒の声ーーー。
「リカちゃん先生?ねぇ、リカちゃん先生ってば!」
「…え?なに?何か言った?」
「聞いてなかったのぉ?」
わたしの反応に、あからさまにふくれっ面になったのは、西崎美雪、この高校の2年生の生徒だった。
そしてわたしはというと、1年2組の担任で美術の教員、安藤梨花子ーーー、一部の生徒達からは”リカちゃん先生”と呼ばれている。
半年前に転任してきた矢先、突然ある男子生徒からつけられたあだ名だった。
親しみを込めてくれていると思えば悪い気はしないものの、最近の子は先生という立場の人間をナメてるわね……という気持ちもあった。
「ごめん美雪ちゃん、何だった?」
美雪ちゃんの話を全くと言っていいほど聞いていなかったわたしは、素直に聞き返した。