この恋を、忘れるしかなかった。
何の抵抗もなく、自然に惹き込まれるーーー。
……やだ、絵だよ絵、霧島くんにじゃないからね。
自分で思っておいて恥ずかしくなったわたしは、コホンと咳ばらいをした。
そして、自分の手の中にあるケータイを見つめた。
「…」
わたし、本当にどうかしてる。
簡単にお昼ごはんを済ませたわたしは、美術室の鍵を持って職員室を出た。
ついでに、霧島くんのスケッチブックと、余った2つのお饅頭も持って。
廊下をしばらく歩き、やっと見えてきた美術室の前に、ひとりの生徒が壁にもたれてしゃがんでいるのが目に入った。
下を向いて、ケータイをいじっている。
彼はわたしの足音に気が付いたのか、顔を上げてこちらを見ると、キレイな茶色の髪の毛が…さらりと動いた。
「…やっと来た」
「き…霧島くん、どうしたの?何でこんなところに…」
「先生を、待ってたんだ」
霧島くんは、そう言って立ち上がった。
……やだ、絵だよ絵、霧島くんにじゃないからね。
自分で思っておいて恥ずかしくなったわたしは、コホンと咳ばらいをした。
そして、自分の手の中にあるケータイを見つめた。
「…」
わたし、本当にどうかしてる。
簡単にお昼ごはんを済ませたわたしは、美術室の鍵を持って職員室を出た。
ついでに、霧島くんのスケッチブックと、余った2つのお饅頭も持って。
廊下をしばらく歩き、やっと見えてきた美術室の前に、ひとりの生徒が壁にもたれてしゃがんでいるのが目に入った。
下を向いて、ケータイをいじっている。
彼はわたしの足音に気が付いたのか、顔を上げてこちらを見ると、キレイな茶色の髪の毛が…さらりと動いた。
「…やっと来た」
「き…霧島くん、どうしたの?何でこんなところに…」
「先生を、待ってたんだ」
霧島くんは、そう言って立ち上がった。