GENERATIONS LOVE
相手のことを思って
相手のためになるように行動するより、
そうすることによって
相手が思う自分の評価を上げたい。


だから優しくするし、
相手にあわせたりする。


表面上と中身が一致していない。
誰しもそういう部分はあるだろうが…
俺は本音で他人とは向き合わない。
外面が良い…
その方が楽で、上手に渡っていける。


自分に利がなくても、
相手の立場や気持ちに沿うことが当たり前で、普通のことのように行動起こす神山。


俺と神山の違い…
神山にあって、俺にないもの。


それに気付いたからって、
そうなりたいとも思わないし…
今更自分より相手を気遣うなんてことは、きっと表面上でしか出来ない。


素でそう出来る人間なんて、
初めて見た気がした。


『そういえば、神山くんて大学の近くの
イタリアン のお店でバイトしてるらしい
よ~‼確か、ドルチェっていうお店!』


近くの女子が神山の話をしているのに気付き、耳を傾ける。


『結構人気のお店だよね~‼
しかもギャルソン服で、超格好良いって
言ってたぁ~しかも笑顔の神山くんっ!
見たいよね‼』


『今度行ってみようっ!』


へぇ…イタリアン店でバイトね。
何となく…いや、かなり見てみたいと
思った。


本性隠すために
笑顔の仮面貼り付けてる俺とは違って、
業務的にしろ…
笑顔で接客してるであろう神山…
普段は割りとクールな雰囲気で
笑っているとこはあまり見たことない。


…が、しかし…
男1人でイタリアンはないわ…


そう思い、スマホを手に取り、
最近よく遊ぶ子にラインする。
速攻、OKの返事が返ってくる。


今日必ずしも、
神山がバイトの日とは限らない。


ま…純粋にデートを、楽しんで、
旨いイタリアンにありつければいいさ。


俺が神山見たさに
ドルチェに行こうと思わなければ…


きっとダチになることはなかった…


自分とは違う理解しがたい相手として、
ただ勝手に…
敵対心を抱き続けていただろう──
< 17 / 77 >

この作品をシェア

pagetop