GENERATIONS LOVE
何とも言えない気持ちを抱えたまま、
めちゃめちゃ俺好みのイタリアンに舌鼓し、会計の頃には神山の姿が見えなかった。


『ご馳走様!美味しかったね‼』


始終笑顔の彼女。


『そうだね、噂以上だったね』


色々と──


払拭できない気持ちがゆらゆらと、
込み上げかけた瞬間──
彼女に腕を引かれ、
路地裏の壁に彼女の身体ごと押される。
かなりの密着度…


『…一樹…』


潤んだ目で見上げられる。
これはキスを求められてる…?
雰囲気的に流されてもいいかなぁ…
でも、彼女面されても後々面倒だしなぁ。
『俺だけ』と言っていた割りには、
かなり神山にご執心だったし…


複雑な心境ではあったが、
最終的には、
【据え膳食わぬは男の恥】
という、結論に至り…
首を傾け、目を閉じた彼女に
顔を近付けた瞬間──


『人の女に何しようとしてんだぁ‼』


罵声が響き、首が絞まりそうな力で襟首を引っ張られ、勢い良く後ろの壁に背中をぶつける。
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