GENERATIONS LOVE
「俺は、香坂さんが好きです」


「…宣戦布告って、ことかな?」


森田さんの言葉に首を横に振る。


「いいえ。自分の気持ち優先して、
おふたりの間に入ろうとは思っていませ
ん。ただ…好きだと気付いた以上、簡単に
想いを捨てることも出来ません」


「…それで?」


「想い続けても、良いですか?心の中に
しまっておくことを、許してもらえます
か?」


「…奪おうとは、思わないの?」


そこで俺は肩の力を抜いて、厳しい表情の森田さんに微笑んだ。


「思いません。香坂さんを大切に思うのと
同じくらい、俺にとって森田さんも大切
な人ですから」


俺のその言葉に、森田さんは目を見開く。


「…嬉しいこと、言ってくれるね。…全く…
その一言で、毒気を抜かれちゃったよ」


「…え…?」


森田さんの雰囲気がいつもと変わらないものになり、今度は俺が目を見開く…が、次の森田さんの台詞が確実に、決定打になる。


「…真琴は俺にとって大切な存在だよ」


「…そう…ですか…」


さっきまでの森田さんに言われるより、
断然今の方が辛く感じる。


「うん、だって姪っ子だからね!」


「…めいっ…こ?」


…森田さんは今なんて言ったんだ…?
思考が上手く回らない…


「真琴は一番上の、姉の子。肩書としては
姪っ子だけど、俺にとっては妹みたいな
存在だよ」


「………………………………本当……ですか…?」


「本当だよ…ごめんね?
意地悪が過ぎたね…でも、
俺としては、修二くんを試したかったの
もあるんだ…」


「……見つめていたのは?」


「親心みたいな…まぁ、心配でかな…」


「名前は?」


「俺の身内っていう、先入観持ってほしく
なくてね…
真琴の希望でもあるけど…」


疑問を全部投げ掛ける。
森田さんは淡々と俺の質問に答えていく。
次の言葉を発せない俺に…


「修二くん…真琴のこと、本気?
真琴は修二くんより、7歳年上だよ。
この先 … 何を知っても、何があっても…
その気持ちは変わらない?」


射ぬくような森田さん目を真っ直ぐ受け止める。


「本気です。俺にとって年の差は関係ない
です。
今後…年齢差が壁になることがあるかも
しれない…でも、そんな壁はぶち壊す気
でいます。
今は、香坂さんのこと…
知らないことの方が多いけど…知ることで
俺の気持ちが変わることはありません」


「そっか…」


俺の返答に、どこか安心したように笑う
森田さん。


嘘や偽りなどない、俺の本心。
香坂さんを知っていくことに、喜びを感じても…
過去に何があっても、それを知って
心変わりをするなんて、考えられない。
そんな薄っぺらい気持ちじゃない。
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