GENERATIONS LOVE
真琴さんの家路をふたりで歩く。
もう少しで、真琴さんの家に着く頃…
疑問に思っていたことを口にする。
「そういえば、森田さんに伝言頼んでたん
ですけど、訊いてませんか?『真琴さん
に会いたいのに、会えないのが残念なの
で、せめて帰りくらい送りたいから、迎
えにいきます』って…」
そう話すと、真琴さんの歩みが止まる。
どうしたのかと思い、首を傾げ、真琴さんの顔を覗き込む。
「真琴さ……ん?」
真っ赤な顔で俯いてる真琴さん。
え…何故今この反応?
こんな顔させることを、
言った覚えはない。
…茜ちゃんが言ってくれたことは、俺の願望そのものだけど、谷山が言った線がないとは言えない。
もしかしたら、本当に体調不良なのかもしれない。
「真琴さん、ちょっとすみません」
「…え……!?」
俯いている真琴さんの両頬を、両手で軽く触れ、顔を上向きにさせる。
膝を曲げ少し屈んで、真琴さんの額に自分の額をくっ付け、熱を計る。
感覚を掴むため、両目を閉じる。
頬は赤いから、少し熱く感じるけど…
額の熱は……俺と変わらない…
ほっとして目を開けると、大きく目を見開いた真琴さんの目と視線が交わる。
俺のこの突拍子もない行動に、驚いて固まっているのが分かる。
熱を計るため…だったけれど…
初めて、こんなに至近距離に真琴さんを感じて…
初めて触れた頬はこんなに柔らかくて、
簡単に手放すのが惜しくなる。
このまま─キスしたい
額をくっ付けたまま、そんな感情に囚われそうなところで…真琴さんの震えた声で引き戻される。
「…か……神山さん…な、に…を…?」
「……熱を、計ってます」
「ね…熱なんて…ありません」
「そうみたいですね、安心しました」
至近距離のまま笑ってみせる。
「…あの…そ、れじゃぁ…離して下さい…」
潤んだ目が色っぽい。
さっきよりも、もっと赤くなった真琴さんの顔…
今は俺がそうさせてると、自覚出来る。
そして、きっと俺の顔も赤い。
好きな人に触れているのだから、当然だ。
自分の心臓が、早鐘のように脈打つのが分かる。
目が大きくて、睫毛長いんだな…
しかも、めちゃくちゃ良い匂い。
今にも、理性の箍が外れそう…
なのだが、ぐっと堪える。
1つの目的のために。
「…………名前……」
「……え……?」
「名前で呼んでくれたら、離します」
真琴さんの瞳が揺れる。
「……む……無理…です」
「どうして?」
揺れる瞳を見つめる。
「は……恥ずか…しいし……緊張…します」
「呼んでくれないと、ずっとこのまま…
ですよ?
俺はそれでも一向に構いませんけど」
「……………っ……‼」
昨日以上に強引な俺に、
きっと、凄く困惑している。
ごめんね…真琴さん。
それでも、俺は…
真琴さんの心を、俺が独占したい。
「真琴さん」
「……しゅ……修二…くん」
「…………!?」
真琴さんの口で、真琴さんの声で
俺の名前を紡いだ瞬間…
俺の身体中に、初めて感じた気持ちが駆けずり回る。
やばい……泣きそうなくらい、嬉しい。
感極まった俺は、
真琴さんの頬から手を離して、
両腕を真琴さんの背中に回し、
ぎゅっと真琴さんを抱きしめた。
名前を呼んだら、離すと言ったのに…
離すつもりでいたのに…
更に自分の腕の中に閉じ込めてしまった。
「…ありがとう、真琴さん」
そう言って、
ゆっくり真琴さんから離れる。
茫然と唯、俺を見上げる真琴さん。
ほんの少しまで、
隙間なく密着していたのに…
この数センチの距離に、寂しさを感じる。
まだ腕に残る真琴さんの温もり…
離れたら、切なくて…愛しくて…
もう───
この言葉を告げずにはいられない。
「…俺、真琴さんが好きです」
もう少しで、真琴さんの家に着く頃…
疑問に思っていたことを口にする。
「そういえば、森田さんに伝言頼んでたん
ですけど、訊いてませんか?『真琴さん
に会いたいのに、会えないのが残念なの
で、せめて帰りくらい送りたいから、迎
えにいきます』って…」
そう話すと、真琴さんの歩みが止まる。
どうしたのかと思い、首を傾げ、真琴さんの顔を覗き込む。
「真琴さ……ん?」
真っ赤な顔で俯いてる真琴さん。
え…何故今この反応?
こんな顔させることを、
言った覚えはない。
…茜ちゃんが言ってくれたことは、俺の願望そのものだけど、谷山が言った線がないとは言えない。
もしかしたら、本当に体調不良なのかもしれない。
「真琴さん、ちょっとすみません」
「…え……!?」
俯いている真琴さんの両頬を、両手で軽く触れ、顔を上向きにさせる。
膝を曲げ少し屈んで、真琴さんの額に自分の額をくっ付け、熱を計る。
感覚を掴むため、両目を閉じる。
頬は赤いから、少し熱く感じるけど…
額の熱は……俺と変わらない…
ほっとして目を開けると、大きく目を見開いた真琴さんの目と視線が交わる。
俺のこの突拍子もない行動に、驚いて固まっているのが分かる。
熱を計るため…だったけれど…
初めて、こんなに至近距離に真琴さんを感じて…
初めて触れた頬はこんなに柔らかくて、
簡単に手放すのが惜しくなる。
このまま─キスしたい
額をくっ付けたまま、そんな感情に囚われそうなところで…真琴さんの震えた声で引き戻される。
「…か……神山さん…な、に…を…?」
「……熱を、計ってます」
「ね…熱なんて…ありません」
「そうみたいですね、安心しました」
至近距離のまま笑ってみせる。
「…あの…そ、れじゃぁ…離して下さい…」
潤んだ目が色っぽい。
さっきよりも、もっと赤くなった真琴さんの顔…
今は俺がそうさせてると、自覚出来る。
そして、きっと俺の顔も赤い。
好きな人に触れているのだから、当然だ。
自分の心臓が、早鐘のように脈打つのが分かる。
目が大きくて、睫毛長いんだな…
しかも、めちゃくちゃ良い匂い。
今にも、理性の箍が外れそう…
なのだが、ぐっと堪える。
1つの目的のために。
「…………名前……」
「……え……?」
「名前で呼んでくれたら、離します」
真琴さんの瞳が揺れる。
「……む……無理…です」
「どうして?」
揺れる瞳を見つめる。
「は……恥ずか…しいし……緊張…します」
「呼んでくれないと、ずっとこのまま…
ですよ?
俺はそれでも一向に構いませんけど」
「……………っ……‼」
昨日以上に強引な俺に、
きっと、凄く困惑している。
ごめんね…真琴さん。
それでも、俺は…
真琴さんの心を、俺が独占したい。
「真琴さん」
「……しゅ……修二…くん」
「…………!?」
真琴さんの口で、真琴さんの声で
俺の名前を紡いだ瞬間…
俺の身体中に、初めて感じた気持ちが駆けずり回る。
やばい……泣きそうなくらい、嬉しい。
感極まった俺は、
真琴さんの頬から手を離して、
両腕を真琴さんの背中に回し、
ぎゅっと真琴さんを抱きしめた。
名前を呼んだら、離すと言ったのに…
離すつもりでいたのに…
更に自分の腕の中に閉じ込めてしまった。
「…ありがとう、真琴さん」
そう言って、
ゆっくり真琴さんから離れる。
茫然と唯、俺を見上げる真琴さん。
ほんの少しまで、
隙間なく密着していたのに…
この数センチの距離に、寂しさを感じる。
まだ腕に残る真琴さんの温もり…
離れたら、切なくて…愛しくて…
もう───
この言葉を告げずにはいられない。
「…俺、真琴さんが好きです」