GENERATIONS LOVE
「もうそろそろだと思んだけど、修二くん
先にホール出て開店準備進めててくれる
かな?オリエンテーション済ませたら連れ
てくから」


腕時計で時間を確認したオーナーは、次に俺の顔を見て指示を出す。


「了解です」


そう一言返事を返してスタッフルームを後
にする。


さあ、今日も1日、頑張りますか‼
そう自分に激を入れ、足早にホールへ向かう。


ホール内のメニュー表をディナー用に置き換えていると、


「修二くん!いいかい?」


オーナーに名前を呼ばれ振り向き、直ぐに
オーナーの横の存在…制服に着替えた女性に視線を移す。
背筋を伸ばし、凛としている佇まい。
イタリアンなのに、
森田さんの趣味でホールの制服は、男女共にギャルソンで、その白と黒のモノトーンのシックさが似合う、大人の女性。


22年の俺の人生で、関わりを持ったことのないタイプ…その人の第一印象は、とても綺麗な人だと──
数分目を奪われていたことに、オーナーの一言で気が付く。


「…ふふ、修二くんガン見し過ぎだよ」


「…っ!?すっ…すみません‼」


みるみる顔に熱が集まるのが分かる。
恥ずかしすぎて、慌てて顔を背ける。


何しちゃってんの、俺‼
人のこと、凝視するとか…しかも初対面で…どんだけ失礼なことしてんのっ!?


一気に動揺しまくりの俺の様子に、笑いを堪えてオーナーが口を開く。


笑い過ぎだよ…オーナー…
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