GENERATIONS LOVE
【side 真琴】


たくさんの人の中、修二くんと手を繋ぎながら歩いてく。
空いているベンチに近付くと、


「真琴さん、ここに座って下さい。
俺、飲み物買って来るんで……
何が良いですか?」


こういう、さりげない気遣いが嬉しい。
私のことを考えての行動だと、
すぐに分かった。
相手の状況や、気持ちに沿って行動できる人って、どれだけいるんだろう。


「紅茶でお願いします」


「分かりました。
少し待っててくださいね」


修二くんが飲み物を買いに行ってる間、
ふと周りに目を向ける。


私の目の前を、一組の家族連れが横切っていく。子供の手を引く、夫婦の姿。
それは、私がどんなに望んでも手にすることが出来なかった幸せの形……


──ズキンっ!


胸に確かな痛みを感じる。
どうしたら、ただ通りすぎる風景になるんだろう?
いつまで、この胸の痛みは消えないんだろう?
過去の記憶に、捕らわれそうになったところで、


「真琴さん、お待たせしました」


修二くんの声に現実に戻される。


「有難うございます」


買ってくれた紅茶を受け取る。


いけない。今は修二くんと居るのに……


修二くんが私の横に座り、沙紀と一樹くんのことを、教えてくれた。


修二くんの落ち着いた様子に、一樹くんからの説明があったのだと伺える。


ふたりの関係にとやかく言う資格はないけれど……本当の姉弟だったら、それはそれで色々問題だけど、
私は……沙紀を大切にしてくれるなら、それが一樹くんだと言うなら、沙紀を応援するだけ。


その後は……
ストレートな修二くんの言葉に、胸の鼓動が高鳴りすぎて、恥ずかしくて仕方なかった。


『嫉妬してました』


『……一生懸命、説明してくれる真琴さんが
可愛くて ……あとは、嬉しくて、つい』


『真琴さんだから……ですよ。
真琴さんにしか言いません』


その言葉全てに、私に向けての……
修二くんの想いが伝わる。


温かい気持ちと切なさが、
私の中に広がっていく。


だからこそ、私の過去を打ち明ける。
事実を伝えぬまま……
修二くんの想いに甘えてはいけない。


同じように、想いを口に出せないけれど、
修二くんを好きでいても、良いですか?


たとえ、その事実を知って、
あなたの心が変わったとしても──
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