八百屋LOVERS
ガラララーー
無駄に重い教室の扉を開く。

時計は午前10時を指して
明らかに遅刻だけれど
私は特に気にもせずに、教室に入る。

すぐに、一人の男子生徒と目が合う。
どうやったそうなるのか聞きたくるほど、絡まったひとつ結びをしていた。
高校生にしてはあまりにも長すぎる髪の毛を、結ぼうとしていたらしい。

頑張ったのは伝わるけど…

当の本人はあんまり気にしていないらしく
笑顔で私に話しかけてくる。


「うさみみー!!!おはよう~。一時間目の体育うさみみいなくて寂しかった!」

「おはよ、ごめん寝坊してさ…。てか夏樹…私結んであげるよ髪…ある意味では芸術だけどさっ!!それじゃ、私の腹筋が保てそうにない…!!」

「え?!どうゆうこと?!変?!」

そう言いながら髪を解く夏樹の席の横に座る。

教室の一番奥、窓際の席。

私のクラスは席替えをしないから

もう完全にここの席は私の空間だった。






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