それはきっと、君に恋をする奇跡。
これって罰ゲーム用のガムじゃない!?
辛くて痛くて……もうどうにもならない……!!
「おいおい、大丈夫か!?」
咳き込み始めると、水瀬くんは笑いながらだけど背中を叩いてくれた。
「む、無理……」
これ以上口の中に入れておけなくて、ポケットからテッシュを出して吐き出す。
……ニコちゃんマークが描かれた包み紙を使わなかったのは、なんとなく。
ラッキーなのか、アンラッキーなのか分からないけど。
良かった。
水瀬くんが来てくれて。
落ち込んだままでいられないほど、一瞬で気を晴らしてくれたんだから。
そうじゃなかったら、あたしはここでまだひとり泣いてたかもしれない……。
ありがとう。
あたしはもう一度、心の中で感謝した。