それはきっと、君に恋をする奇跡。
「どーせ他のクラスだって恥ずかしがって歌わねーんだろ?だったら俺らのクラスが優勝もらおうぜ」
"優勝"
そんな水瀬くんの言葉に、みんなの顔が紅潮していく。
「優勝したら景品とかあんの!?」
「学校行事でそれはねえだろ。でもみんなでパーッと焼肉でも行こうぜ!」
「いいな!ノッた!」
そんな気の早いプランを口にするクラスメイトに水瀬くんは笑いをこぼして。
「じゃ、もう一回やろうぜ!」
そう仕切り直すと、今度はみんな声を張り上げてその曲を歌い出した。
さっきまでダルそうだった顔を、活き活きさせて。
なに、この変わりようは……。
でも。
みんなが声を出しているから、あたしも自然と大きな声が出せた。
恥ずかしくもない。