それはきっと、君に恋をする奇跡。
「そうだ!今日みんなでカラオケ行かねえ?行けるヤツ募ってさ」
「いいなそれ!行こうぜ!」
結城くんのグループが中心になってそう声をあげると、周りに群がっていた女の子たちが一斉に手をあげる。
「行く行くー!」
「やったあ!蒼とカラオケ行けるなんてラッキー」
「今日カラオケ行ける人ー!」
教室の前の方がザワザワと騒がしくなった。
……カラオケか。
合唱は確かに楽しかったけど、カラオケってなると別。
そんなテンションの高い所になんて行く気分じゃないし。
あたしには関係ないと、そこから目を逸らしたとき。
「俺は今日パスな」
思いもよらない声が聞こえた。