それはきっと、君に恋をする奇跡。


今度こそ、フラスコを持ったままギョッとした顔を真由ちゃんに向ければ。



「隣に住んでる幼なじみがカラオケ店でバイトしててさ、陽菜が超絶イケメンと店に来たってLINEもらったの」


「うそっ……」


「まさかと思って男の特徴聞いたら蒼にピッタリ当てはまるから、実は今も半信半疑で聞いたんだよね~」



真由ちゃんはニヤニヤしながらあたしを見る。



ううっ……。



真由ちゃんの幼なじみはあたしも知ってるけど。


見られてたなんて。


しかもハメられちゃった。



「で、なんで2人で?」



それで話が終わるわけもなく。


突っ込まれて、仕方なく素直に答えた。



「……蒼ってバカみたいに明るいでしょ。だから一緒に居たら、気分もあがるかな……って」



一回目は、あたしから誘ったことを認めて。
< 154 / 392 >

この作品をシェア

pagetop