それはきっと、君に恋をする奇跡。
「そしたら昨日、カラオケに付き合えって言われて、断れなくて……」
「ふう~ん」
真由ちゃんのニヤニヤが増している。
「ほっ、ほんとだよっ!?ただそれだけだって!」
なにか勘違いしてない?
怪しいって訴えているその目に、キッパリ断言する。
「いーのいーの。あたしは陽菜が元気になってくれればそれでいいの。この際、蒼と付き合ってみたら?すでにデートも済ませてるみたいだし」
いやいやいや。
デートって……。
そんなんじゃないし。
「……そもそも蒼には彼女がいるでしょ……」
ハッキリしてないけど、きっといる。
蒼はただ、優しいだけ。
困ってる人を放っておけないタイプなんだよ。
「えー、そお?彼女いて2人で出かけるようなことするかな。見た目は軽そうだけど、蒼はそういうのちゃんとわきまえてると思うなあ」