それはきっと、君に恋をする奇跡。
彼女いる説を認めない発言を真由ちゃんがしたとき。
「好きです……付き合ってくださいっ……」
女の子の声が聞こえ、あたしと真由ちゃんは顔を見合わせたまま動きを止めた。
これってもしかして。
告白!?
声はすぐ隣の化学室から聞こえていた。
「ちょっと誰!?」
真由ちゃんは扉に近寄り、化学室を覗こうとする。
「見えちゃうよっ!」
小声でたしなめながらも、あたしだって実は興味がある。
盗み聞きするのはよくないけど最初からここにいたんだもん。
しょうがないよね……?
真由ちゃんに重なるようにして化学室をそっと覗くと、そこには男の子と女の子が向かい合っていた。
女の子は、少し恥ずかしそうに俯きながら男の子の返事を待っている。