それはきっと、君に恋をする奇跡。
わあ。生の告白現場を見るなんてはじめて。
男の子はなんて返事をするんだろう。
ドキドキするなあ。
もし告白が成功したら拍手しちゃうかも。
「告白場所に化学室を選ぶなんてリケジョだね~」
真由ちゃんも声が上ずっている。
うんうん。
上履きの線があたしと同じ赤色だから、ふたりとも1年生みたい。
だけど顔まではよく見えない。
「ごめんな……キミとは付き合えない」
その声に、ハッとした。
少し高めのよく通るその声には聞き覚えがあったから。
……蒼……?
「ねぇ。告られてるのって、もしかして蒼じゃない?」
「……うん……みたいだね」