それはきっと、君に恋をする奇跡。


「うわぁ、もうやだあ~……」



恥ずかしくて両手で顔を覆った。


鼻歌くらい好きにやらせてくれたっていいのに。


ほんともう、余計なお世話だよ。



「うはは、言われちゃったね~」


「はー、へんな汗かいた。恥ずかしいからもうあの人には会いたくないな……」



次会ったら、またからかわれるかもしれないし。


基本的にああいう人は苦手。


ズケズケと思ったことを口にするような人は。


でも学年が違えばきっと会うことなんてないよね。



忘れよう。


うれしい日のちょっとした災難。


そう思えば、このくらい……。



「そんなこと言って同じクラスになっちゃったりしてね。イケメンだったし、あたしは同じクラスになれたら目の保養になるし大賛成!」


「え?」

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