それはきっと、君に恋をする奇跡。
思い出
制服も夏服に変わり、学校生活にも随分慣れた。
入学したばかりの頃は机に突っ伏してばかりだったあたしも、少しずつクラスに溶け込めるようになった。
放課後はクラスの友達と街へ遊びに行くこともあった。
ハルくんのことを思いだす暇もないほど、楽しくて充実した毎日。
桜園高校に来て良かった。
心からそう思える時間が増えていた。
一番大きな要因は、蒼が隣にいるから。
蒼はいつだって、あたしを笑顔にしてくれるから……。