それはきっと、君に恋をする奇跡。
***
「いたぁぁーーーーっ!」
日曜日の昼下がり。
自分の部屋にあたしの叫び声が響き渡った。
部屋に入った瞬間、床に転がっていた雑誌に躓いてしまったのだ。
「うわあぁぁぁっ……!」
そのまま棚の方に体が倒れ。
ガッシャーン……!
手が触れたせいで、そこに置いてあった缶が床に落ちた。
蓋が取れ、中身が床にばらまかれる。
……あ。
それは……ハルくんからもらった手紙。
可愛いお菓子の空き缶につめて保管していたんだ。
やだ……ハルくんになにかあった?
練習中に怪我をしたとか。
不吉な予感に、胸がざわざわと音を立てる。
……虫の知らせだったりして。
「……」
そんなわけないか。
あたしが部屋を散らかして躓いたせいなんだから。
不吉なことを考えるのはやめよう。