それはきっと、君に恋をする奇跡。
しゃがんで手紙を拾う。
久々に目にする手紙。
こうやって見ると、沢山もらってたんだなあ……。
無作為に手に取って、中を広げてみた。
『レギュラーもらったの、1年の中で俺一人だけなんだ』
あ……これは中1の夏ごろにもらった手紙だ。
『公式戦で初ホームラン打った!』
これは、秋の終り頃だったかな。
『練習で足痛めちゃったんだ。でも気力で直すから大丈夫』
この手紙をもらったあと、すごく心配ですぐに返事を書いたんだっけ。
どの手紙を開いても、そのときの自分の気持ちをハッキリ呼び起こすことが出来る。
それくらい、ハルくんの手紙はあたしの生活の一部だった。