それはきっと、君に恋をする奇跡。


あたしの世界はハルくんを中心に回っていて。


それがなくなったら抜け殻になるのは当然だったかもしれない。



ハルくんとの思い出は、ほんとうに沢山ある。


すべて、キレイで懐かしい思い出。


手紙をひとつひとつ開き、目を通す。



ふふふっ。


あたしこんなこと話したんだっけ?


今よりも幼い自分たちのやり取りに、思わず漏れる笑み。



……。



あれ。


なんであたし笑ってるんだろう。


少し前のあたしなら、手紙を見て涙が出ていたはずなのに。


そして、どうして……って、最後はハルくんへの怒りに変わっていたのに。


なんだかいまは、すごく穏やかな気持ち。


まるで過去の思い出を懐かしむように。
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