それはきっと、君に恋をする奇跡。
「わあ、キレイ……」
思わず手に取って。
浮かんだのは、蒼の顔。
"俺が陽菜のビタミンになってやる"
これはビタミンカラー。
いつも元気な蒼にピッタリな色だと直感で思った。
……蒼の誕生日っていつかな。
イメージでは夏って感じがする。
あとで聞き出して、誕生日にプレゼントしようかな?
彼女でもないのに、おかしいかな。
でも、いつもあたしに元気をくれるお返しがしたい。
真由ちゃんを見ると、まだ真剣に悩んでいる。
そんな姿にかきたてられるように、あたしはそのピアスをこっそりレジへ持って行った。
「プレゼント用にラッピングしますか?」
「お願いします」
喜んでくれたらいいな。
このピアスを耳に付けている蒼を想像して、ちょっぴり胸が高鳴った。