それはきっと、君に恋をする奇跡。


「わあ、キレイ……」



思わず手に取って。


浮かんだのは、蒼の顔。



"俺が陽菜のビタミンになってやる"



これはビタミンカラー。


いつも元気な蒼にピッタリな色だと直感で思った。



……蒼の誕生日っていつかな。


イメージでは夏って感じがする。


あとで聞き出して、誕生日にプレゼントしようかな?


彼女でもないのに、おかしいかな。


でも、いつもあたしに元気をくれるお返しがしたい。



真由ちゃんを見ると、まだ真剣に悩んでいる。


そんな姿にかきたてられるように、あたしはそのピアスをこっそりレジへ持って行った。



「プレゼント用にラッピングしますか?」


「お願いします」



喜んでくれたらいいな。


このピアスを耳に付けている蒼を想像して、ちょっぴり胸が高鳴った。

< 178 / 392 >

この作品をシェア

pagetop