それはきっと、君に恋をする奇跡。


しつこく図星をつかれてギクリとしながらも、平静を装った。



「冬生まれなんて意外。蒼って底抜けに明るいし、夏生まれのイメージしかなかったのに」


「イメージ通りに誕生日が来てたら、明るいやつはみんな夏生まれかよ。相変わらず陽菜の発想は単純だな」



───ポン。


そのまま蒼は手のひらをあたしの頭上に乗せた。



「……う」



思わず肩をすくめる。


立っている時以外にこうやられたのは初めて。


並んで座ってこれをされると、なんだかドキドキする。


……距離がいつもより近いから……。



「じゃあ、陽菜は春生まれ?」


「え?なんで?」


「ふわーっとしてるから。タンポポの綿毛みたい」



タンポポの綿毛って……。


それって、いいの?悪いの?
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