それはきっと、君に恋をする奇跡。
大嫌い
昇降口の前は、新入生でごった返していた。
どうやらクラス発表の紙が掲示されている様子。
「真由ちゃん、早く早く!」
真由ちゃんの腕を引っ張りながら、人波をかき分けて掲示板の前に立つ。
同じクラスになれますように!
祈る想いで探すのは。
永井遥輝……永井遥輝……
自分そっちのけで、ハルくんの名前。
「わっ、あたしたち同じクラスだよっ!3組!」
隣から真由ちゃんが肩を揺さぶってくる。
「へっ……?ほんと?」
まだハルくんの名前を見つけられないあたしは、半分だけ意識を持っていって返事すると。
「反応薄っ!!!」
不貞腐れたような真由ちゃんの言葉が返ってきた。
「あ、ごめんってばぁー」
ああ、またやっちゃったよ……。
さっき反省したばっかりなのに。
あたしの頭の中、どれだけハルくんなんだろう。