それはきっと、君に恋をする奇跡。


「失礼なっ……そんなんじゃないし」


「開けていいの?」



あたしがうなずくと、蒼は包みを開けた。



ドキドキドキ……。



「……ピアス?」



蒼は一瞬驚いたような表情を見せた後、



「これを、俺に……?」


「ほ、ほら、色々お世話になったからそのお礼……。こんな風に浮上できたのも、蒼のおかげだし……」



蒼がいなかったら、あたしはまだ悲観したままだったかもしれない。


学校だって、つまらないままだったかもしれない。


そんなあたしを笑顔にしてくれたのは、蒼だから。
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