それはきっと、君に恋をする奇跡。
次の日。
あたしはドキドキしていた。
理由は。
……あのピアスをつけてくれてるかな……って。
つけてくれてたら、すぐに気づいた方がいいかな。
いかにも気にしてましたって感じでおかしい?
それより、クラスの誰かがその変化に気づいて話題にするかな……。
あっ、来た!
色々考えていると、蒼が教室に入ってくるのが見えた。
わざと視線を外して、1時間目の授業の準備をしていると。
「おーっす」
いつものように、明るく挨拶されて。
「おはよう」
いつもと同じを心がけて、顔をあげたあたしの目に入ったのは。
昨日までと同じ、シルバーのピアス。
……あ。
一気に熱が、冷めた。
なにを期待してたんだろう。
女の子じゃあるまいし、もらった翌日からなんて付けて来ないよねっ。
バツが悪くなって体がかあっと熱くなった。
あたし、思ってたより期待してたんだな……。