それはきっと、君に恋をする奇跡。


理由は……わかる。


……どうしてピアスをつけてくれないのかって、責められるとでも思ってるんでしょ?



蒼の左耳で光るのは、相変わらずシルバーのピアス。


蒼は、あたしからそれを問われるのを恐れているように感じた。


今までみたいに軽いノリで話しかけてくることが少なくなって、あたしが話しかけようものなら、今みたいな反応。



まさか、あたしを意識してる……?


ピアスをあげたから、あたしが蒼を好きとか思って。



……モテ慣れてる蒼が、そんな風に感じるはずないよね。



でも話しかけて、警戒するってことは。


ピアスをつけてくれないことであたしが気に病んでると思ってるんでしょ?


だったら、社交辞令で一回くらいつけて来てくれてもいいのに。
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