それはきっと、君に恋をする奇跡。



お昼休み。


真由ちゃんと窓の外を見ながらお喋りしていると、グラウンドに蒼の姿を見つけた。


端のほうにあるバスケットコートで、蒼がクラスの男の子たちをバスケをしていたのだ。


グランドには沢山の生徒がいるのに、その中で蒼を見つけ出せた自分がなんだかうれしい。

男の子はみんなバスケか上手なのか知らないけど、素人目に見ても、蒼のボールさばきはすごかった。


……カッコいいなあ……。



「ねえ陽菜、やっぱり蒼が好きなんでしょっ」



真由ちゃんがいつものように冷やかしてくる。



「……うん。好きだよ」



あたしは素直に認めていた。

蒼を目で追いながら。


「えっ……!」



真由ちゃんは絶句してたし、自分でもびっくりしてる。
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