それはきっと、君に恋をする奇跡。


入学してから、ずっと自分の不幸を憐れんで、自分のことで精いっぱいだった。


なのに、蒼のことが心配になったり。


自分のことよりも、いまでは気になる。


目で追ってしまう。


考えてしまう……。


特に蒼と前みたいにいられなくなってから、それはより強く感じるようになった。


……これが恋じゃなくてなんだっていうの?


恋することに怯えていたから、認めたくなかっただけなのかもしれない。


でも自分の中でも否定できないくらい、蒼への想いは加速していたんだ。


ハルくんとの時間をいい思い出へと……そう導いてくれた蒼へ……気付いたら気持ちが傾いていたんだ。

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