それはきっと、君に恋をする奇跡。
どうして?
新入生の名前が載ってないわけないのに。
なんでハルくんの名前がないの……?
まさか。
受験しなかったとか……!!
「っ……」
一瞬、目の前が真っ暗になって。
「陽菜大丈夫っ!?」
体がガクンッと右側に傾いて、真由ちゃんに支えらる。
……そんなことあるわけない……。
思いつくすべてを頭のなかで打消しながら、そのまま真由ちゃんの手を借りて教室を目指した。
新入生のフロアはざわざわとうるさかった。
はじめての校舎。
はじめての教室。
はじめてのクラスメイト。
これから始まる新しい日々に、期待でいっぱいのはずなのに。
それに、真由ちゃんとも同じクラスだったのに。
「ここが陽菜の席だよ……大丈夫?座れる?」
なにも考えられないまま、真由ちゃんに誘導されて自分の席につく。
「見落としってこともあるかもしれないし。後でもう一回見に行こう?」