それはきっと、君に恋をする奇跡。
あ……。
正面から歩いてくる人物をみて、足が止まった。
数メートル先のここからでもわかるそのフォルムは。
……蒼。
黒いキャップを被り、長い脚を主張するようなデニムに涼しげなTシャツを合わせて。
その隣には……ワンピースに麦わら帽子姿の女の人。
ドクンッ!
やだ、どうしよう。
こんなとこでバッタリ遭遇なんて、どんな顔していいかわからないよ。
しかも、隣には女の人……。
でも、この道は一本道で曲がるところもない。
……どうしよう。
そうしている間にも、距離は縮まっていく。