それはきっと、君に恋をする奇跡。
真由ちゃんのなぐさめに、あたしは力なく首を横に振った。
見落としてなんてないよ。
だって、何度も確認したんだから。
大好きな人の名前を、見つけられないわけがない。
ハルくんが、いない……。
なんで?
どうなってるの……?
信じられなくて、頭がぼーっとする……。
「もう……いいよ……」
あたしはそのまま机に突っ伏した。
「……陽菜……。じゃ……あたし席行くね、また後で」
気遣うように言い残して真由ちゃんが去っていく。
どうしていないの、ハルくん。
あの約束忘れちゃった?
それとも、ウソだった?
「……おーい……」
ずっと4年間、色褪せない想いを持ち続けて。
「おーい……」
ハルくんに会えるのだけを楽しみに、受験勉強だってがんばった。
ハルくんと恋がしたくて、あたしはそれだけを……