それはきっと、君に恋をする奇跡。
「ピアスつけただけで、すっごい大人っぽくなった気分♪」
「大げさだな、それ」
「ほんとだよ。蒼だってそうでしょ?」
「んー、どうかな」
曖昧に笑う蒼。
「あたしもう嬉しくってピアスいっぱい買っちゃったよ~」
藤野さんはウキウキしながらそう言ったあと、
「蒼ってずっとそのピアスだよね。どうして?」
そんな疑問を蒼にぶつけた。
───ドキンッ。
あたしでさえ触れられなかった核心にせまる質問に、大きく跳ね上がる鼓動。
終業式の日、あんな風に言われてるだけあって、その理由を知りたい気持ちは当然ある。
一貫して同じものをずっとつけてるのには、きっとなにか意味があるはずだから。