それはきっと、君に恋をする奇跡。


「もしかして1個しか持ってないの~?」



だけど、この会話をこれ以上聞いてていいものか迷う。


また、知りたくない事実を知ってしまいそうで。



「じゃあさ、あたしがプレゼントするよ!」



藤野さんがそう言うと、



「あー、いいいい。これ遠慮じゃねーからな」


「どういうこと?」


「これ以外は俺、つけるつもりないから」


「ええっ!?ちょーっと今の爆弾発言じゃない!?」


「すっごい意味深だよねーーーー」



色めきたつ女の子たちの声で、教室内はワッと湧くけど。



……これ以外は、つけない……?


目の前が、真っ白になっていく。



「てことは彼女からのプレゼントなんでしょ!」


「やっぱ蒼、彼女いるんじゃん!」


「ちげーよ」


「えー、にしてはすっごい大事にしてる感あるよねー」


「気になるよー」


「彼女じゃなくても、大切な人からのプレゼントってことは間違いないよねっ」
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