それはきっと、君に恋をする奇跡。
心にスッと冷たい風が吹き抜けた。
女の子の告白に誠実に応えていたあの日の蒼とは違いすぎて、めまいがしそうだった。
どうして……?
どうしてあたしの告白は聞けないの?
悲しいとかショックとか。
そんな感情の前に、疑問が先立つ。
蒼は何も言ってくれず、顔を背けたまま。
……なんなの……これ……
「……蒼なんて……もう知らないっ……!」
そんな蒼に耐えられなくて、あたしはその場から駆け出した。