それはきっと、君に恋をする奇跡。
距離
その日を境に、あたしと蒼の間には今度こそ完全に距離が出来た。
入学当初、あたしがツレなくても図々しく話しかけて来た蒼だけど、さすがに今回はそうもいかず。
お互いにお互いを避けている……。
それは席が隣な分、あからさまで。
肘がぶつかったなら、その場が凍りつくんじゃないかってくらいピリピリした。
せっかく仲良くなれて。
蒼との何気ない日々が楽しかったのに。
また、机に突っ伏していた時期に気持ちが戻っちゃった。
つき合って欲しくて告白しようとしたんじゃないのに。
大切な人がいるくせに、中途半端に優しくなんてするから。
泣くなよ、なんて言うから……。
知ってるよ。
菜々さんが好きなこと。
欲張ったわけじゃないのに。
ただ、気持ちを伝えようとしただけなのに。
なのに。
聞いてすらもらえなかった。
どうして……?