それはきっと、君に恋をする奇跡。
久保先輩と真由ちゃんの交際も順調で。
お似合いのカップルだなんて、すぐに学校中の噂になった。
女の先輩の目が怖いなんて真由ちゃんは言うけど、過度なやっかみや嫌がらせを受けたりはしていないみたい。
それも、蒼の言ってた久保先輩の人柄なのかも。
「あ、そうだ」
幸せいっぱいな三日月のような真由ちゃんの目が、なにかを思い出したように大きく開かれる。
「久保先輩と蒼って、中学の部活の先輩後輩だったみたいだよ」
「え?蒼はバスケ部だったの?」
そのつながりは初耳で驚く。
でも、お互いをよく知っているみたいだったし同じ部活だったなら納得。
「うん。蒼は1年の時から試合に出たりするくらい活躍してたんだって」
「へえ……」