それはきっと、君に恋をする奇跡。

そんなすごいプレイヤーだったなら、どうして高校ではバスケ部に入らなかったんだろう。


そんな疑問が真っ先に浮かんだ。



結局、蒼はどの部にも入らなくて現在帰宅部。


"あたしと同じ部活にする"なんて冗談を言って。


……結局は帰宅部だから同じなんだけど。



「あのあと久保先輩がバスケ部に誘ったらしいんだけど、もうやんないんだって」


「そうなんだ」



久保先輩や真由ちゃんみたいに、中学でやってたから続けるってものでもないのかな？



「背も高いんだし、さぞかし様になってただろうね。蒼のプレイ見てみたかったなーなんて。ちょっと残念」


「ね」



その姿を想像すれば、残念だと思うのはあたしも同じで。


それと同時に、親しんでいたバスケの授業で骨折をした蒼に、なんなんとなく違和感を覚えた。