それはきっと、君に恋をする奇跡。
蒼の真意が分からず、曖昧な言葉も掛けられない。
なにがあったか分からないし、気安く意見なんて出来ないもの分かってる。
名前しか呼ぶことができない自分がもどかしい。
こんなんじゃ、蒼の力になんてなれないよね……。
「俺……も、どうしたらっ……」
そう言った直後。
蒼の体重があたしにかかって、気を緩めたらそのまま倒れてしまいそうになる。
「蒼っ……!?」
その顔を覗き込むと、蒼は完全に意識を失っていた。
「蒼!しっかりして……!!!!」
ひとりじゃどうすることも出来ず、あたしはその場で真由ちゃんに電話を掛けると助けを求めた。
久保先輩が一緒だと分かっていたし、思った通りすぐにふたりが駆け付けてくれて、久保先輩が保健室まで蒼を運んでくれた。