それはきっと、君に恋をする奇跡。


それじゃ、菜々さんは……?



なに?

なんなの?

わけがわからない。



「あ、そっかあ」



久保先輩は納得したように手をパチンと叩いて。



「新田さんは、蒼の大切にしたい友達が女の子だと勘違いしてたのか。ごめんなー、俺も曖昧なこと言って。普通そう思っちゃうよな。ごめんごめん」


「あ、いえ……その……」



まだ頭の中が整理できないまま、久保先輩の言葉を耳に入れる。



「蒼にとってはすごく大事な親友なんだって。そいつのために部活をやめるほどだしな。ピアスには、親友の病気が早く治るように願掛けされてるって昔聞いたことがある」



……ピアス?



『それ大切な人からのプレゼント?』

『まあな』



……だとしたら。

ピアスをくれたのは、病気の親友……?
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