それはきっと、君に恋をする奇跡。
いつまでもあたしがここで泣いてたら、久保先輩はいつまでもそばにいてくれそうな気がしたから。
そう言って頭をさげると、あたしからその場を離れた。
一直線に向かうのは教室。
自分の席に座り、そのまま突っ伏して肩を震わせる。
「ううっ……ひっ………っく……」
自分がすごく情けなかった。
『中途半端に優しくしないで……』
屋上で蒼に突っかかったこと。
大切にしたい女の子からもらったピアスだって、勝手に勘違いして。
どうせあたしのあげたピアスなんていらないんだってひねくれて。
蒼の言葉の一部分だけ聞いてひとりで誤解して。
勝手に泣いて。
蒼の言葉ももロクにきかないで。
蒼の優しさを突っぱねて。
蒼にきついこと言って。
……ごめん、
……ごめんなさい……蒼……。