それはきっと、君に恋をする奇跡。
文字
「……った……新田」
んーーーー……。
「新田……ほれ新田!」
「は、はいぃぃぃっ……!」
ガバッ!!
呼ばれた気がして顔をあげ、大きく返事をすると。
辺りはすっかり薄暗かった。
あれっ、あたし何してたんだっけ……。
「こんなとこで昼寝するなんて。用がないならさっさと帰らんか」
あたしを呼んだのは担任だったようで、教室の棚からプリントを取り出している。
はっ……。
あたし、自分の不甲斐なさに呆れて……
あのまま泣き疲れて寝ちゃったんだ……。
「す、すみません……」
なんて不覚な……。
更なる自責の念に駆られながら、のっそり立ち上がって帰ろうとすると。
「ついでだから手伝ってくれないか」
呼び止める先生の手にはプリントの束。