それはきっと、君に恋をする奇跡。
「残りのこれ、悪いが職員室まで運んでくれ」
顎で指示された束に目をやる。
「……はい、わかりました」
……鬼みたいな量じゃないし。
寝ていたところを見られたバツの悪さもあってあたしはそれを手にした。
「新田、そこが俺の席だから机の上にでも適当に置いといてくれ」
「はい」
職員室に到着すると、先生は場所だけ指示するとどこかへ行ってしまった。
先生の机の上は、雑然としていてお世辞にもキレイとは言えない。
「ふぅ……」
鬼みたいな量じゃなくても、見た目より結構重かったな。
そう思いながらドサッ……とそれを置くと。
ヒラリ。
机の上に置かれていたプリントが1枚舞った。
「ああっ……!」