それはきっと、君に恋をする奇跡。
真実
朝のSHL。
「水瀬、期限は3日って言ったはずだぞ。論文はどうなってる」
出欠を確認後、担任が放ったのはそんな言葉。
みんなが一斉に蒼を振り返る。
「えーーー!?俺頑張って書いたっすよ。昨日の帰りに先生の机の上にちゃんと置いたって!」
蒼が声を張り上げて抗議する横で、あたしはビクッと肩を震わせた。
提出したはずの論文は、先生の目に触れる前にあたしが持って行ってしまったんだから……。
「嘘つけ。そんなもん見当たらなかったぞ」
「はあ?先生の机の上きったねーから何かと紛れちゃったんじゃねえの?」
結局話は『出した』『見てない』の平行線。
しかも机が汚いと言われたのが、先生の怒りにさらに火をつけたようで。